約 2,021,254 件
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2540.html
853 名前:ヤンデレ☆レモン[] 投稿日:2012/09/01(土) 10 49 53 ID dryYok3E 4話 俺は親友の和馬の家に行った 和馬「OK!あいつが来たら教えてやるよ。ケータイの音で」 樹理「あぁ、サンキュー!」 俺は窓の近くしかもそこから出ると警察 これなら御崎を警察に突き立てることができる ピるるるる ケータイが鳴った 御崎「ねぇ和馬君、ここに樹理君が来なかった?」 和馬「来てないけど、どうしたの?」」 御崎「嘘ついたからお仕置きね・・・・・」 ザクッ 和馬は刺されて死んだ 俺は窓から逃げて警察官に行った そして御崎の事を言った 警察「それは大変だ、すぐに君を保護しときますよ」 俺はほかの警察に守られてとうとう御崎がここへ来た 御崎「樹理君、どうして嘘ついたの?私がこんなにも樹理君が好きな のに・・・・好きだからあなたを殺すよ・・・・・」 樹理「っひ」 警察「大人しくしないと牢屋域ですよ!」 グサッ ザクッ 御崎は警察を何人も刺して俺を守っていた警察も全員殺してしまった 御崎「ゲームオーバーだね・・・・・」 俺は警察署を抜け出て逃げまくった 逃げて逃げて生きたいから・・・・ 俺は家に駆け込んでカギもしめた 御崎「開けてよ・・・・開けてよ・・・・・」 御崎はインターホンの前でそう言う 樹理「い・・・・嫌だ!開けるものか!」 御崎「ドアをぶち破ってでもあなたを殺してやる!」 俺は庭に行って裸足で家を出た 続く
https://w.atwiki.jp/niconico_singer/pages/382.html
名前:ヤンデレP 通称:ヤンデレP よく使われるタグ:歌うPシリーズ、鏡音リン、鏡音レン、歌えるPシリーズ 声の特徴:かっこよさと熱さを伴うハイトーンヴォイス 作品の特徴・傾向 鏡音リン・レンをコーラスに使ったり一緒に歌う 「高音すげえ」コメント多数 人物・その他の特徴 鏡音リンによるメタル系オリジナル曲「重恋歌-Jyurenka-」等の作者。 本人の歌の上手さゆえに「リンとレンって必要なのか」とのコメントも。 SoundHorizonスキー。 「もっといろんな曲歌ってほしい」といった本格的な「歌ってみた」参戦が期待されている。 動画 公開マイリスト 【ニコニコ動画】公開作品 【俺&鏡音レン】鳥の詩ver.ショタロイド【一緒に歌ってみた】 【俺&鏡音リンレン】空色デイズ【一緒に歌ってみた】 【俺&鏡音リン・レン】石畳の緋き悪魔【一緒に歌ってみた】 【俺&鏡音リン】hazyPのdelete...,enter_【一緒に歌ってみた】 【一緒に歌ってみた】奈落の花 Another【ヤンデレP with 鏡音合唱団】 関連動画(合わせてみた等) 編集業務連絡 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2538.html
843 名前:ヤンデレ☆レモン[] 投稿日:2012/08/30(木) 20 19 25 ID .qf.IqEE [2/2] 2話 なんかにやりとした笑みで先生を見る 樹理「どうしたんだ?」 御崎「何にも?」 御崎は隠し事はしてないみたいだが 俺の話を無視して教科書を開いて読んでいた 昼休み 美鈴「舟山さん!貴方最近先生の授業聴いてないでしょう? 今日だって無視して教科書読んでたし・・・ いい加減、授業ぐらい真面目に聞きなさいよ!」 ガシッ 御崎は槐羅の首を絞めた 御崎「うざいのよ・・・・理事長の娘だからって調子に乗ってると 痛い目に合うわよ・・・・・」 樹理「おい・・・やめろって!いくら何でもやりすぎだろ!」 美鈴「く・・・・苦しい・・・・貴方犯罪を犯すつもり?」 御崎「貴方なんて消えていいわよ、樹理君に近づくやつも 私をいじめるやつは全員、こうなるのよ」 まさか・・・ 樹理「お前…まさか…・矢部を殺したのか・・・・?」 ありえない・・・・ こんなに笑顔が優しくて 可愛い女の子が人を殺すなんて・・・・ 御崎「今更気づいても遅いよ・・・・くくくくくっあははははは 殺すのはなかなか面白かったよ あいつの指に鱈腹釘を打ち込んだり、お腹にナイフをいっぱい 刺したこと。面白かったなぁ」 嘘だ・・・・・ 御崎が人を殺した・・・・? 樹理「嘘だろ?そんな冗談いうなよ・・・・」 美鈴「貴方なんてパパに行って退学にして逮捕してもらうわ!」 御崎「言えないわよ、だってあなた今から私が殺すのだもの」 御崎はナイフを出した 血がこびりついていた 今まで殺してきたやつの血だろう その中に矢部の血が・・・・ グサッ グサッ グサッ 御崎は槐羅をナイフで何度も刺した 死んでいても刺した 御崎「これで私に逆らう者はいなくなったね・・・・皆に言っとくよ 私に逆らったら殺すからね、美鈴ちゃんみたいに・・・・」 血まみれの槐羅をバラバラにして中庭の花壇に埋めていた 泰知「舟山、頼みがある・・・・」 御崎「限度が過ぎてると殺すよ・・・・・」 泰知「俺を殺してくれ!そしてお前も死んでくれ!」 続く
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2425.html
198 名前:依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE[sage] 投稿日:2011/10/29(土) 00 36 11 ID MPaMNP4Q [2/14] 「リューヤぁ、しんどい…」 「おー」 俺はなるべく平静を装う。 未夢との 秘密の約束 だ。キサラギの相手はここまで。 「キサラギ、先に風呂に入れ」 「あ…はい…」 赤面するキサラギ。変態的言動の予感がする。 「あの…ウチ、処女ですからぁ…安心して下さぁい」 どうでもいい。処女だろうが、あばずれだろうが俺は等しく冷たく厳しく接する自信がある。 「でもぉ…なめるはめるくわえるしゃぶる、オールOKなんでぇ…」 「変態」 何の呪文だろうと思った。 こいつは宇宙人だ。 別の言葉。 別の風習。 未夢を抱えて、自室に入る。 「未夢、大丈夫か?」 「お腹、痛い…」 「トイレか?」 未夢は首を振った。唇を尖らせ、やや不満げに振る舞うのは、キサラギの出現が原因だろう。 「おしっこ、漏れた…」 「あ…?」 未夢が腰掛けているベッドを見るが、濡れている様子はない。 ひょっとするとあれだろうか。 いくら幼なじみだからといって、ここまでするのもどうなのかとは思う。だが、未夢の両親からは警告を受けているし、そのための準備も出来ている。 未夢は、まだ初潮が来てない。 「リューヤぁ、しんどい…」 秘密の約束 だ。 身体に不調を覚えた時はすぐ言う事。 これは、いくつかある変態的な約束とは一線を画するマジ約束だ。 俺は速やかに手を打たなければならない。違えれば、未夢は今後、あらゆる約束を反故にするだろう。 それくらいマジ約束だ。 「未夢、脱がせるぞ。いいか?」 「うん…」 相変わらず犯罪臭のする無毛の土手が、懸念通り血まみれになっている。 「……」 持て余す。正直な感想はそれだ。 手を拱いていると、未夢も気付いたのだろう。言った。 「未夢、死ぬの…?」 俺は首を振った。 「違う。未夢は…大人になったんだ」 心と身体のアンバランス。 大人の反応をする身体に対し、精神と知識が追いついていない。性知識だけが豊富なのは、何か大きな歪みの発露なのだろうか。 これも未夢が抱える大きな問題の一つだ。 「未夢、血を拭き取らないといけない」 これは非常にデリケートな問題だ。そのため、確認する。 「キサラギに手伝ってもらうか?」 「やだ。リューヤがいい」 頷く。未夢の両親とはもう話してある。二人が悩んだ末、持ち込んだ問題だ。 血を拭いて、ナプキンをする。それだけの行為。だが、持て余す。 199 名前:依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE[sage] 投稿日:2011/10/29(土) 00 37 39 ID MPaMNP4Q [3/14] 未夢は俺が居ないと食事もしないし、俺以外は身体に触れさせない。 未夢の両親の悔しそうな顔を思い出す。 何故そうなったのか。これに関しては誰も答えることができない。 理由がないのだ。自然にそうなった。俺一人だけを信頼して、依存する。 ……歪んでいる。 覚悟を決め、行動に取り掛かる。 血を拭く作業は、未夢が興奮したため、中々はかどらなかった。 「リューヤぁ、そこぉ…もっと強くぅ」 「変態」 黙ってやるよりいいかもしれない。 赤飯を炊かないと… その後、腹痛を訴えたため、鎮痛剤を服用させる。 「念のため、明日病院に行こうな?」 「うん…」 未夢の生理は重めのものであるようだ。 身体が出来上がったばかりの未夢にとって、婦人病がどの程度の脅威になるかわからない。用心するに越したことはない。 俺は未夢におやすみを言って、部屋を出た。当然だが、あらゆる変態行為を禁止した。 今日は俺がソファで寝るか。 一階の廊下ではキサラギが全裸で、俯けに倒れている。 何のワナだろう? 「変態」 「……」 キサラギは動かなかった。 ぴくりともしない。休んでいるようにも見えない。 何故、変態は次々と問題を起こすのか。 最近、非日常が俺の日常になりつつある。 「変態!」 「……」 やはり、キサラギは動かない。 死んでるのだろうか。…楽でいい。 「キサラギ、大丈夫か?」 抱き起こす。 「う…」 かすかな呻き。俺は舌打ちしそうになるのを我慢した。 「何があった?」 「からだ、いっぱい…洗って…気持ち悪い…」 途切れ途切れ呟くため、断言は出来ないがおそらく湯当たりしてのぼせたのだろう。 キサラギの乳首と股の辺りは擦りすぎて少し赤くなっている。何を考えて、どこを重点的に洗ったのかアホでも検討がつく。 この二人はどこまで俺を賢者にすれば気が済むのだろう。 「…先、輩…」 「大丈夫だ」 しかし、キサラギは力なく首を振った。 消え入りそうな声で呟く。 「トイレ…」 俺にも武士の情けはある。抱き起こしてトイレに向かう。 だが…キサラギが悲鳴に近い呻きを上げる。 「あ…あ…ああ…!」 下半身を濡らす温かい液体。…間に合わなかった…。 …しかし…こいつは今日1日だけで、どれだけ俺に全てを見せるつもりなんだ。 後はもう、脱糞くらいしか残ってない。 200 名前:依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE[sage] 投稿日:2011/10/29(土) 00 38 15 ID MPaMNP4Q [4/14] 「あ…ああ…ウチ、なんてこと…」 キサラギは顔面蒼白だ。流石にこれはワザとではない。 「忘れろ。見てない。こんな時だってある」 ボロボロに泣き崩れるキサラギにバスタオルを巻き付けトイレに入れる。 変態と言ってやりたいが、むご過ぎるので止めておく。 未夢の様子を見に行くと、大人しく眠っていた。 俺と未夢には 秘密の約束 がある。 二人きりの約束。 未夢は体調不良を押してでも俺と一緒に居ようとする。 これがいつか大事に至るのではないか。ヒヤリとさせられる場面も何度かあった。 だからこれは苦肉の策だ。 恋人同士のように、共通の秘密と約束という名の鎖で未夢を管理している。 未夢は俺に嘘を吐かない。 その約束を未夢が守る限り、俺には未夢を守る義務が生じる。 これが 秘密の約束
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2430.html
271 :依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE:2011/11/01(火) 00 32 01 ID n30qBM32 キサラギは動かなかった。 静寂の中、秒針の音がやけに響く。 未夢は、この張り詰めた空気の中、ただ一人どこまでも自然だった。 俺には、それがとても歪なものに映る。 キサラギが、スッと腰を落とした。 まだ、椅子に腰掛け、立ち上がってはいない。 ただの予備動作。何らかの事前運動。 だがそれだけで、空気が変わる。 武道を嗜まない俺には、よく分からない。ただ、違うとしか。 キサラギは変わった。身に纏うものが。 『これ』は、俺の手に負えない。 身体をずらし、僅かに未夢に近寄る。 いざというときは、この身体を盾に―― 「だいじょうぶだよ、リューヤ」 未夢に特別変わった様子はない。言った。 「だって、未夢の方が強いもん」 未夢が、キサラギより強い……? 体格も体力も技術も頭脳も経験も全てキサラギが上だ。 いいたくないが、この中で一番無力なのは…未夢だ。 めき… テーブルの上で、キサラギの拳が鳴る。 「未夢、リューヤしか持ってないもん。負けるわけない」 めき… 未夢は、テーブルの上のそれを指した。 「それはいらないものだよ。それを使ったら、最後。…未夢にはなれないよ」 未夢になれない? キサラギが? キサラギが未夢になれない? その超理論は俺には理解できない。 だが―― 「っ…!」 キサラギは肩を抱きしめて、眦に涙を浮かべ、滑稽なくらい動揺している。 「リューヤ先輩はウチのだっ!」 その叫びに、未夢は首を振る。 「遅いよ。三年くらい」 こいつ…誰だ? これが、未夢? あくまで冷ややかに、キサラギを追い詰めていくこの女の子が、未夢? みしっ…! キサラギが――動いた! 俺は素早く未夢を抱き寄せ、庇うようにキサラギに背を向ける。 「ああうっ!」 キサラギは火傷したかのように出しかけた手を慌てて引っ込めた。 俺の胸の中で、未夢が嘲笑った。 「ほら、やっぱり未夢のだ」 「違う違う!ウチは、ウチは、ただ…リューヤ先輩が…」 髪を振り乱し、叫ぶキサラギの声は、徐々に尻すぼみになり、消えて行った。 ……理解できない。 豹変した未夢もそうだが、あれだけ殺気立っていたキサラギが…… 今は力なくへたり込み、ただ泣き崩れている……。 ……圧倒。その表現が一番しっくり来る。 未夢の持つ何かがキサラギを圧倒し、屈服させたのだ。 272 :依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE:2011/11/01(火) 00 33 34 ID n30qBM32 キサラギは、結構すごいやつだ。 小さい頃から空手をやって、いくつかの大会で結果を出している。 俺の通う高校は進学校だ。それなりにレベルも高い。キサラギもそれなりに頭はいいだろう。 そのキサラギが、アホの未夢に圧倒されて泣きが入るこの状況。 理解不能だ……。 最前から、俺を自分のものだと言い張る未夢。これも分からない。 ただ、キサラギが取り乱したこの状況。 力付くになれば、未夢は圧倒的に不利だ。故に、俺は未夢の側に立つ。 一方、未夢は澄ました表情だ。 椅子の上で、つまらなそうに足をプラプラさせている。 …生意気な。 「…そりゃ!」 未夢の頬をひねり上げる。 「ひ、ひたいっ! ひたいよ、リューヤ!」 「やかましい。未夢の癖に生意気な」 さらに逆の頬をひねり上げる。 「ぷぎゃっ!」 「上上下下左右左右…」 「ぷぎゃァァァ!」 俺のジャイアニズムが未夢をひとしきり蹂躙する。 「ウチ…」 キサラギが、ボソッと呟く。 「ウチだって、リューヤ先輩だけで…」 「あ?」 振り返ると、キサラギが立ち上がって、こちらを見ている。 涙に濡れた頬には、後れ毛がへばり付き、その表情はかなり痛々しい。 「…わかりました。ウチ、先輩を困らせません。学校行って来ます」 ニコッと笑うキサラギ。 何だろう…不吉な笑顔だ。 達観。 あるいは諦観。 そんなものが漂う笑み。 「お、おう、わかってくれたか」 言いながら、俺の胸によぎる一抹の不安。 待て。 俺は…いつか、こんな笑顔を、どこかで… 「行って来ます」 キサラギが出て行く。 既視感。 寂しそうな背中。 袖を引かれ、振り返ると未夢の笑顔。 「リューヤぁ、病院…」 「おう、そうだった」 馬鹿な俺は思い出せずにいる。 キサラギが見せた笑顔の意味を。 答えは、目の前にあるものを。 273 :依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE:2011/11/01(火) 00 35 32 ID n30qBM32 未夢と病院に向かう。 保険証を準備し、着替えの指示までする俺は、まんま未夢の保護者だ。 未夢の方は体調の不具合が機嫌にも反映しているようだ。 むっつりとして、ポケットに手を突っ込んでいる。 電車の窓から流れる風景を見る。 窓ガラスに映った未夢が、じっと俺を見つめている。 その頬が、ほんのりと桜色に染まっていく。 「…?」 なんだろう。未夢は言いたいことがあるのか、じっと俺を見つめている。 「お膝、座りたい……」 「ダメ」 言ってまた車窓に視線を戻す。 「未夢ね…一人だけなら、許すよ」 「?」 わけわからん。一人ってなんだ。膝と前後の繋がりがチンプンカンプンだ。 「なんだそれ…。許さんかったら、どうなるんだ?」 「…悪い子になっちゃうかも…」 未夢はにこにこと笑う。いつもの笑顔。 …ゾクッと来た。 最近、未夢にビビらされることが多い。 「未夢…いっぱい、いっぱい考えたんだよ」 「ん?ああ…」 「リューヤは、ワガママさん嫌いで、でも、未夢はいっぱい、いっぱいワガママさんで…」 未夢は足りない頭で、必死に言葉を探しているようだ。 その口調はたどたどしい。 「いっぱい、いっぱいリューヤは、未夢によくしてくれて、でも、未夢は足りなくて……」 「……」 未夢は、何かを伝えようとしている。こういう時、俺は口を挟まないようにして、なるべく未夢に話させることにしている。怒らず、辛抱強く。大切なことだ。 「未夢が、もうちょっと我慢すれば、きっとリューヤは、いろいろなことができて……」 「がんばれ」 未夢の頭をかき回す。 「未夢…悪い子なの。あの子もすごく悪い子で…」 あの子?キサラギのことだろうか。 「…ほんとは、仲良くしたくない。でもリューヤが…」 俺が、なんだ…? 未夢が俯きがちだった顔を上げた。 「だから、一人だけ我慢するの。未夢、きっと悪いこといっぱいするけど、リューヤがそうしてほしいなら…」 よくわからん。 つまり、こういうことか? 未夢は、キサラギのペット化を認めるということか? 俺は、それを感謝しないといけないのか? ほんとにわからん。 未夢も、キサラギも、あの『飼う』を本気で捉え―― ヤバい…。俺、また適当なこと言ったかも。 だとしたら、キサラギ……悪い予感しかしない。 274 :依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE:2011/11/01(火) 00 37 56 ID n30qBM32 総合病院の婦人科では滅茶苦茶キツい思いをさせられた。 学生服でロリ体型の未夢を伴い受け付けを済ませる俺。 イタい。 激しくイタい。 診察を受ける未夢を待つ間、針のむしろのイタさは最高潮に達した。 診察の順番を待つ、若い夫婦たちの視線が厳しい。人間のクズを見るような冷たい目。 「…あんな小さい子に…」 「男の風上にも置けんヤツだ」 くそお! 未夢めえ!! そして帰って来た未夢は何故かご満悦の様子だった。 「リューヤぁ、スッゴいの――」 「わあ!!言うなあ!」 その後、腹が減ったとゴネる未夢と繁華街で食事する。 登校したのは、結局昼過ぎてからだったが休むよりはいい。 担任は俺の特殊な事情を理解してくれている。…もちろん、その説明は未夢の両親にさせた。俺は無制限にお人好しではない。 もう少しで放課後なので、未夢は校門で待つ。 校門は人だかりでいっぱいだった。救急車やパトカーが詰め掛け、大きな騒ぎになっている。 いやな予感に歩を進めると、 「リューヤ!リューヤっ!」 校舎を見上げると、友人の何人かが隣の校舎を指差して、叫んでいる。 視線を向ける。 隣の校舎。 屋上のフェンスを乗り越え、壁際に立つ人影は、 「キサラギ…?」 キサラギの両手首は何本もの赤い筋が入り、白いブラウスは血であろう赤い液体に染まっていた。 フェンスを乗り越えた壁際で、ナイフを片手に、近寄ろうとする連中を牽制している。 いかれてる…。 素直な感想がそれだ。 「がんばるね、あの子…」 気が付くと、未夢が隣に立って、俺と同じように、屋上のキサラギを見上げていた。 「キミ!キミがリューヤ君かっ!」 慌ててやって来た警官が、携帯電話を押し付けてくる。 「説得してくれ!彼女は興奮して、誰の言う事も聞かんのだ!」 「なんで、俺に…」 その俺の問いかけに、警官は不吉なものでも見るように、一瞬キサラギに視線を飛ばした後、眉根を寄せた。 「キミの名前ばかりを叫んでるよ…もう、一時間にもなる…」 「一時間も?…死ぬ気なんですか?」 警官は首を振った。 「それが、わからん。本人はそのつもりはないようなんだが、飛び降りるつもりではいるらしい」 なんだそれ…。 困惑しながら、携帯電話を受け取る。 『あっ、先輩ですかぁ。ウチですぅ、キサラギですぅ』 こんな事態を引き起こしておいて、キサラギは 275 :依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE:2011/11/01(火) 00 40 50 ID n30qBM32 いつものように、声にしなを作って喋り出す。 『あのぉ、ウチぃ、これから見せるんでぇ、よぉく見といて下さいぃ』 「見せる?……何を?」 『ウチの気持ちですぅ』 キサラギの俺に対する好意と、飛び降りになんの関係があるのだろうか…。 「おまえ、バカか?」 なるべく冷たく言う。 『え…?』 「誰がそんなことしろって言ったんだ?」 『え?で、でも、リスカ女の時は…』 「あん?」 怒ったように言う。……本当は、滅茶苦茶びびってる。 「おまえ、未夢に張り合ってそんなことやってんのか!!」 『……ぐすっ…』 大きく鼻を啜る音。 『だって…リューヤ先輩…ウチのこと、見てくれないじゃないですかぁ…』 「そんなことせんでも、ちゃんと見てる」 沈黙。 『…ウソだ。ウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだぁ!リューヤ先輩、ウチを見てくれない!命張らないと、ウチを見てくれない!』 「そんなことない」 くそ…手に負えん…これは…飛ぶ… 落下予想地点には、もちろんマットを設置してある。だが、そんなもの、キサラギの意志一つでどうにでもなる。 もし…いや、もう飛ぶと覚悟して…どうする? どうやって、キサラギを助ける!? 『先輩、見てて下さい。ウチも先輩だけなんです。ウチ、先輩に命差し出せますから!』 その時、未夢が言った。 「長いね。早く、飛ばないかなあ…」 まるで、遊園地のアトラクションを楽しみにしている子供のようだった。 キサラギが笑う。 これ以上ないくらい晴れやかな笑顔で。 そして、キサラギは、飛んだ。 276 :依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE:2011/11/01(火) 00 44 16 ID n30qBM32 キサラギが、空を、飛んだ。 ――狂ってる。 躊躇いなく空に身を踊らせたキサラギは、笑顔だった。 …マジか。 できるのか、それが。 キサラギの思いの質と量を、大幅にはかり違えた。 目の前が白くなる。 音が消え、時間の概念が希薄になるのが分かる。 今、この瞬間、集中力が極限にまで上がってるのがはっきりわかる。 キサラギが、ゆっくりと落ちてくる。 このバカ…笑ってやがる。 だが、どうするんだ俺?キサラギを助けるのか? …なんか、やだなぁ。 助けるんだったら、あれか? 漫画で見た、あれか? すげー痛そうだったぜ、あれ。 畜生…別のヤツがやれよ。 …みんな、固まってやんの。 足が動く。…やっぱりか。俺がどうにかしろってことか。 ヤになっちゃった。 けど――行くぜ、俺。 地を駆ける。未夢は、少し驚いて、それから笑った気がした。 「あと一人だけ、我慢するよ」 あの言葉は、この瞬間を予期してのことか。 しかし、未夢。 コイツには問題がある。 キサラギをガラクタくらいにしか思ってない。 …少し話す必要があるな。 そんなことより、キサラギが近くなってきた。 でも、さっきからおかしいぜ。 俺、こんなにスゴいヤツだったか? これって、ひょっとしたら……まだ、チェリーなのに… ひでえよ、神様。 空中でキサラギを受け止める。 ――重っ、キサラギ重! 両腕が、プチプチってヤな音がした。 構わず滑るようにして、受け身を取る。 漫画じゃ、これで上手く行ってた。 上手く、行ってた。 全身を叩かれたような衝撃が走った。 現実は漫画ほど甘くなく、受け身は完全に失敗した。 50点。 得点にしたらそれくらいだろうか。 俺の身体がクッションになった。キサラギは無事な筈。 ヤバい。 あんまり痛くない。 これって… まあ、いいか。上出来だろ。 俺って、今イケメンだよな! 今が、人生の最盛期。 ……あんまり嬉しくない…… キョトンとしたキサラギと目が合った。 キサラギは周囲を茫然と見回し、大の字に倒れた俺を視線に捉えたところで動きを止めた。 キサラギの顔が、見る見るうちに青くなる。 「あ、あああああああああああああああああああああ!」 本当にコイツはうるさい。 「違う違う!ウチが先輩を壊すわけない!ウチが先輩を壊すわけない!」 277 :依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE:2011/11/01(火) 00 45 09 ID n30qBM32 未夢に抱き起こされる。 「……」 未夢は、コイツこそ取り乱すだろうと思ったが、様子が変だ。とても静かで、落ち着いた表情をしている。 それはなんだか、心地よくて… 少し、眠くなってきた。 「リューヤ、死ぬの?」 返事のかわりに、俺はチョコレートみたいな血を吐き出した。 「すぐ、逝くね」 ああ…そういうことか。 馬鹿な俺にもようやくわかった。 コイツは…未夢には俺しかない。 勉強もスポーツも駄目。体型にも恵まれない。何の特技もない。 未夢のどこを切っても、俺しか出てこない。 未夢の小さい身体には、俺に対する気持ちしか詰まってない。 それでか…キサラギが勝てないわけだ。 「未夢には、リューヤしかすることないもん」 何度も言ってたのになぁ…。 未夢にキスされる。 小さな舌が、これでもかと言わんばかりに俺の口腔を蹂躙する。 俺もまた、それに応える。 離れる。 血の雫が二人の間に伝う。 血の鎖で結ばれた二人。 それがなんだか心地よい。 なんだか、よく眠れそうだ… 「おやすみなさい、リューヤ」 未夢の頬に伝う、一筋の銀の雫。 なんだ…コイツ、やっぱりツラいのか。 びっくりしたぞ。落ち着いてたから。 俺は、そっと未夢の耳元に口を寄せる。 「起きたら…………やらせろよな……」 だから今は…… おやすみ…。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/677.html
やんでれP【登録タグ 作や 作り手】 【ニコニコ動画】公開作品 特徴 2008年1月7日ニコニコ動画初投稿以来、鏡音リン(act1)を使用した激しい(病んでる)恋愛がテーマのメタル楽曲を連投している「鏡音リンでメタル」頂点の一人 所有ボカロはリンレン・ルカ、そして2010年夏にはGUMIも購入した。 メタル楽曲には珍しい日本語でジュブナイル(子供向け小説)風ストーリー性歌詞&哀メロで、メタルに興味が無かった人にも人気がある。 鏡音単独の楽曲で唯一「ボカロメタル殿堂入り」(1万再生超え)を果たしている。2009年7月12日時点で「重恋歌(リンver/高音質)(ルカver)」「激嬢想歌」「旋律王姫」「氷葬花」「哀撃貴鋼」「雨弾凶奏」「魔王嬢」「続・魔王嬢」 「氷葬花」公開時のコメントや投稿時間から、残業と闘いながら夜な夜なギターを弾き込んでいる健全な社会人らしいw ピアプロでのハンドルは「ヤンデレリンの中の人」。ピアプロの規制を心配してか、ピアプロへの楽曲公開はしていない。 「歌ってみた」で披露している素敵なハイトーンヴォイスと歌唱力で歌い手としても注目されている。 「歌ってみた」でもVOCALOIDをコーラスやパートナーとして投入しており、VOCALOIDの活用法を試しながらの活動している。 ブームになっている曲へ祭り的に参加する気配は無さそう。でも特に曲自体を嫌っている事もなさそうで、実際組曲「ニコニコ動画」をVOCALOIDと共に歌ってアップロードしたりしている。 「歌ってみた」楽曲に限り、鏡音レンも使用されている。(2010年8月現在) エピソード等 「雨弾凶奏」以降、ストリングスの音源がQY100からソフト音源になり、よりハイクオリティーなシンフォニックメタルとなっている。 「重恋歌」の歌詞からヤンデレPと呼ばれだしたが、当初は「ヤンデレ」という言葉を知らなかったらしい。(MP3公開時のライナーノーツから)ちなみに、「ヤンデレ」は「病んで、でれ」であって、「ヤンキーで、でれ」ではない。 「鮮血誓歌」で投稿者名をXescaからMusie時代からのハンドルKiescaに変更、発表後、一時活動を停止していた(モンハンにハマッていたらしい)が、ねぎしお氏のラブコールにより、リン廃にとって伝説のコンピレーションアルバム『HOWRING』に参加、「幼帝ノ森」で創作活動に復帰。この時のあまりに豪華な面子と直接対面した事が強い刺激になり、新シリーズMetall Dollsでは器材を一新し、ギターの音作りから再出発した新生Kiescaの原動力となった。 リンク The Skies Symphony(本人サイト) 歌い手まとめwiki「ヤンデレP」ページ 曲 哀撃貴鋼-Aigekikikou- 赤い両手-Metal Dolls II- 雨弾凶奏-Udankyousou- 生まれたのは何のため?-Metal Dolls I- 終わった世界の少女-Metal Dolls V- 激嬢想歌-Gekijyousouka- 鋼花風月-Koukafugetsu- 孤独の残響-Metal Dolls III- 重恋歌-Jyurenka- 鮮血誓歌-Senketsuseika- 旋律王姫-Senritsuouki- 続・魔王嬢-Maoujyou II- 氷葬花-Hyousouka- 魔王嬢-MaoujyouⅠ- 魔法少女騎士団 幽奏少女-Maid of Ghost- 幼帝ノ森 私が欲しかったもの-Metal Dolls IV- CD HOWRING Metaloud Witches 動画 コメント 「鏡音リンでメタル」シリーズは第四弾のコメントからアルバム化を前提とした展開が予想される。 -- 名無しさん (2008-04-17 22 18 09) ピアプロでのハンドルは「ヤンデレリンの中の人」。ピアプロの規制を心配してか、ピアプロへの楽曲公開はしていない。 -- Toy6 (2008-04-20 01 04 31) 「歌ってみた」での美声が素晴らし過ぎる人。 -- 名無しさん (2008-06-23 23 58 08) 適当に説明のところまとめてみました^^リンク貼りまくったんでくどいようでしたら剥がしてください。 -- 名無しさん (2009-03-08 03 29 02) この人はボカロメタルの神 -- 名無しさん (2009-03-12 21 10 12) リン使いの中で一番好きなPです。 -- 名無しさん (2009-04-17 20 28 06) 新曲来ましたね! 鮮血誓歌のページ作成、どなたかお願いします。m(_ _)m -- 名無しさん (2009-11-06 12 03 51) 鮮血誓歌、ページ作成ありがとうございました。そして『和風』というコンセプトの次作にも期待! -- 名無しさん (2010-01-26 16 36 42) もうほんっとヤンデレP好きです。聞いててすごく揺さぶられるw自分的には語るに尽くせないくらい -- 名無しさん (2010-04-13 02 22 30) 「幼帝の森」、公開です。 -- マッハ7の通りすがり (2010-04-22 09 52 17) 「幼帝の森」待ってました!! どなたか幼帝の森のページ作成お願いします(_ _) -- 名無しさん (2010-04-24 10 51 13) 幼帝の森ってすごくいい歌です(>∀<)ノシ -- 紅葉 (2010-08-21 09 26 16) 新曲の幽奏少女よかった!! -- 名無しさん (2012-05-08 02 13 59) 大好き -- 名無しさん (2014-02-01 22 15 04) 幽奏少女以降の曲の記事がなかなか作成されない -- 名無しさん (2014-06-13 23 37 47) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2423.html
178 名前:依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE[sage] 投稿日:2011/10/26(水) 23 55 50 ID bE1u59/c [2/4] 非日常のドアは、常に開かれている。 現在、家のリビングでキサラギが泣きながらメシを食っている。 「お、おいしいです……」 などと抜かしているが、キサラギが食っているメシは、本当は俺のもので、キサラギのために作ったものではない。 朝、玄関を開けるとそこでキサラギが泣いていた。 全身を嗚咽に震わせ、力の限り泣いていた。 ご近所の目が痛かった。 キサラギがここにいるのはそういう理由からであって、特にメシを食わせたかったわけではない。 さて、俺はいつ、キサラギの変態ボタンを押してしまったのだろう。 キサラギに出会ったのは、丁度一年程前のことだ。 受験を控えたキサラギは、駅前の本屋で万引きをやらかして捕まっていた。 めっちゃ目が泳いでいた。 受験前の大事な時期だ。報告が学校に行けばどうなるだろう。推して知るべし。 まあ、今後のキサラギの人生の値段はこの時決まったようなものだ。 税込みで530円位だろう。それっぽっちでキサラギは人生棒に振るかもしれない。 人類皆に等しく厳しく冷たい俺だが、さすがにそれは酷かろうと思った。 それで本屋のオヤジの注意を引く。 キサラギ逃亡。 変態誕生の流れだ。 キサラギの前でふてくされているもう一人の変態であるが、キサラギの存在が非常に気に入らないようだ。 それはそうだろう。あまり数が多くては、変態の稀少価値がなくなってしまう。 未夢は眦を吊り上げ、これ以上ないくらいの憎悪を込めてキサラギを睨み付けている。 変態対変態。その対戦には寒気が走りこそすれ、特に興味は湧かない。 「それでキサラギ、お前はなんで泣いていたんだ?」 キサラギは大きく鼻を啜って、箸の動きを止めた。 鼻水と涙でグシャグシャになった顔が痛々しい。それでも食うんだから大した根性だ。 「ぅべっ、リューヤ先輩…捨てられる…げへっ…思って…」 口の中のものをなんとかしろ。 「俺はキサラギと付き合っていない。その表現はおかしいぞ」 「ぅべっ…」 キサラギがご飯を吐き出して泣き始めた。なんと汚い。 さて、どうしたもんか。一人でも手を焼く変態が二人に増えてはたまらん。 「リスカ女だけ…じゅるい、です…」 「知らん!そんなこと!」 できることなら、二人とも消えてもらいたい。 「ウチもぉ…リスカしたら…飼ってくれますかぁ…?」 「飼わん」 「ぅべっ…!」 いかん。 179 名前:依存型ヤンデレの恐怖 ◆a5x/bmmruE[sage] 投稿日:2011/10/26(水) 23 57 48 ID bE1u59/c [3/4] キサラギのヤツ、とうとう嘔吐した。 俺は慌ててキサラギを横にする。 その後は吐瀉物の処理に取りかかる。 泣きながら食うからだ!変態のすることは本当に迷惑だ! 「ぐずっ、リューヤ先輩…やっぱり、優しい、です…」 ふざけるな。 俺の家だ。そのままにしておけないだろうが。 「ごぇっ!」 未夢のヤツが連れゲロした! もうやだぁ… 「ごぇんなしゃあい…」 「ぅべっ…」 未夢の嘔吐を見て更に戻すキサラギ。 辺り一面はもう地獄絵図だ。 もう殺せよ……。 事態を収拾し、やや酸っぱい匂いの漂うリビングで、俺は深い溜め息をついた。 「キサラギ、落ち着いたら帰れよ」 「…イヤです。ウチも…そのつもりで来ましたから…」 「そのつもり?何のことだ?」 「…ウチも、飼ってくれますかぁ…?」 まだ言うか。 「…別に未夢は飼ってるわけじゃない」 「なんで、そんな嘘つくんですかぁ…ウチも…先輩の服着たい…雨の日…」 あれか。 雨の日に未夢が欲求不満から顔を赤くしてたあれか。 つまり、キサラギの変態的言動はジェラシーによるものか。 待て。何故それが飼うという言葉に繋がる。 やはりこいつは… 「変態」 「はい…」 「変態!」 「はい…」 こいつ、本物だ…どうしよう…。 キサラギのサイドテールの髪の毛が、再び湧き出した嗚咽で揺れている。 俺はキサラギの髪を拭ってやる。 「リューヤ先輩…優しい…好き…」 それが大きなミステイク。ゲロが付いていただけなのに。 しかし、どうする?未夢ですら持て余す俺がキサラギをどうにかできると思えない。 キサラギは遊びでない空手をやっている。段位は知らないが、いくつかの大会でトロフィーを貰っている。 十分、俺を殺せる。 OK!新しい変態の誕生だ!! 「わかった…」 自分のものとは思えないような嗄れた声が出た。 「本当ですか!?ウチ、ウチ……!」 大丈夫か、俺?大変なこと言ったぜ? キサラギの目に、じわっと歓喜の涙が盛り上がる。 「これで…ウチもようやく…」 ようやく、なんだろう。分かりたくない。 「先輩の…ペットに…」 「……」 うっとりとするキサラギ。 疲れた…。 もう、百年も千年も眠りたい。 最後に…おめでとう、キサラギ。 新しい変態…。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2286.html
736 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 02 22 ID 5bzKfcHY それは、別れと出会い、そのそれぞれのそれ以前。 それは、御神千里と緋月三日が夜照学園高等部に進級する以前。 開幕前の舞台で演じられる物語。 10人が10人振り向く美少女と言うものは実在する。 氷室雨氷に言わせれば、一原百合子がそれにあたる。 それは、2人が恋愛(同性愛)関係にあるが故の身びいき、というわけではない。 現に今、この夜照学園高等部校舎屋上の、雨氷のいるほんの数メートル先で、 「好きだ、一原!付き合ってくれ!」 「ゴメン、無理!」 というやり取りが行われている。 ちなみに、前者が2人のクラスメートの男子(名前は覚えていない、雨氷にとって百合子以外は些事である)、後者が手を合わせている百合子である。 男子と百合子はその後も二言三言言葉を交わしていたが、「無理なものは無理、だからしょうがない」という百合子のキッパリとした態度にトボトボと屋上を去って行った。 どうして無理なのか、というところまでははっきりと説明していないし、できない。 百合子が同性愛者であるという秘密が不用意に知れ渡ったら、どのような偏見の目にさらされるか分かったものではない。 だから、彼女らの関係はよほどのことが無い限り、よほど信頼のおける相手以外には秘密にしておこう、というのがこの頃の2人の共通認識だった。 「お疲れさまでした、一原さん」 「どーも、うーちゃん」 男子が去ったのを確認して、雨氷は物陰から出て百合子に声をかけた。 ちなみに、『うーちゃん』とは百合子から雨氷に対する長年来の愛称である。 2人は小、中、高と行動を共にしている幼馴染同士でもあるのだ。 もっとも、雨氷の方は照れ臭くて人前で百合子の愛称を使うのを止めてしまっていたが。 高校生にもなって『ゆーちゃん』という愛称を使うのはいささか以上に勇気が必要なのだ。 「なんつーか相変わらず、男の子(トモダチ)の告白を断るのは心苦しいわよねー。てか何度目だっけ、こう言うの?」 「今月に入って10件目かと」 「多いわね……」 「ええ、まるで盛りの付いた犬のようです」 「妹ならぬ、くらすめえとは思春期、ってトコね」 「殺しておきましょうか、今の彼」 「クラスメート相手に何サラっと恐ろしいコト言ってるのよ」 とはいえ、それは無理ならぬことではあった。 高等部に進級したときに、綺羅星のごとき美少女達が来たと学校中の話題をさらったからだ。(これは、2人と中等部からの学友たちが彼女らの美貌を伝え広めたからでもある。女子は噂好きなのだ) 結果、百合子と雨氷は双方ともに男子からの注目を集めることとなった。 特に、美人で明るい百合子に年頃の男子が惹かれるのは当然のことと言えた。 当然の、ことと…… 「……やっぱり、殺しておきます」 「いやいやいや」 スッと学生鞄の中に手を入れ、歩きだそうとする雨氷の肩を百合子が掴んだ。 細くたおやかな百合子の指の感触を味わいたいのを我慢しながら、雨氷は口を開く。 「だって、盛りの付いた雄犬が、いつ一原さんを性的な意味で害するか分かったものでは……」 「さすがにそれは無いわよ、エロゲじゃあるまいし」 とはいえ、と百合子は続けた。 「私も考えてはいたのよねー。前々からの思春期男子ーズから無駄で無意味にモテちゃうのには。彼らにも悪いし……」 異性愛者なら嬉しい悲鳴と言ったところなのだろうが、同性愛者であり、男性を友人としか見れない百合子にとっては本当に困った状況だった。 同性愛者であることを知らない男子の友人たちを結果として騙しているようで、本気で悪いと思っているらしい。 雨氷に言わせれば、百合子にそんな気を遣わせる男子達が悪いのだが。 「あんな連中、気に病むことはありません。どうせ、一原さんの体目当てに決まっています」 「まー、何割かはそういう下心はあったでしょうね。思春期的に考えて」 「やっぱり殺してきます、今まで告白してきた連中全員」 「だから駄目だって」 再度肩を掴まれた。 「なら、どうしろと」 無表情なりに不満を顔に出す雨氷に、百合子は不敵な笑みを浮かべた。 「私に良い考えがある」 「失敗しそうな台詞ですね」 何故か野太い声を作って言う百合子に雨氷は思わず突っ込みを入れた。 「台詞(ソレ)は気にするな、よ。これは私の考え、どれ程のものかは実行してみれば分かるわ。とりあえず着いてきて」 そう言ってクルリ、ときびすを返す百合子。 答えは聞いてないということらしい。 737 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 03 58 ID 5bzKfcHY 「上級生の教室に向かうのですか?」 「流石に今回ばかりは身内だけじゃどうにもできそうにないものね。ヘルプを求めてみるつもり」 「今考えたんですか?」 「ウン、今考えた」 相変わらず感情で生きている娘であると、雨氷は思った。 階段を下り、上級生の教室へ向かうらしい百合子の少し後ろを、雨氷は着いて行った。 上級生クラスのある階の廊下を威風堂々、足早に進む百合子と彼女の一歩後ろを行く雨氷に、上級生の男子たちが振り返る。 上級生のクラスの階に、一年生の百合子たちが着たことへの驚きや、とびきりの美少女である百合子と雨氷への注目が一気に集まる。 その視線に、雨氷は顔をしかめそうになるのを何とか抑えた。 こうして好意と好色(と雨氷は感じている)の視線が普通に集まっているということは、自分と百合子の性質が知られておらず、彼らと同じ異性愛者だと思われているということでもある。 それは、今現在においては雨氷の、ひいては百合子の身が守られているということでもある。 人は、自分とは違うモノに対して決して優しくなど無いのだから。 もっとも、当の百合子はどこ吹く風。 目的地に向かってズンズンと大股で歩む。 他人の目に対して、百合子はあまりにも無頓着だった。 無防備、とも言えるし、雨氷はそう感じていた。 『なればこそ―――』 と、雨氷は思う。 『一原さん―――ゆーちゃんは私が何としてでも守らなくてはならない』 両手で持った学生鞄を握りしめ、強く思う。 信念と呼んで良いほどに強く。 それは、今はまだ学校の違う百合子の所のボンクラ妹達(恋敵にしてある意味では同志)にはできない役回りだから。 それが、自ら望んだ役回りなのだから。 百合子の方はそんな雨氷に気付く様子も無く、ある上級生クラスの教室のドアをガラリと開く。 「ちわーッス!緋月先輩居ますかー!?」 そんな百合子の派手で唐突な登場に、上級生たちの視線が一瞬驚きに変わる。(雨氷は、その一歩後ろで控えめに一礼した。最低限の礼儀である。) 驚かなかったのは、たった1人。 髪の色は鴉の濡羽。 瞳の色は深淵な黒。 それとは対照的に肌は陶磁器のように白い。 顔立ちは、性別を感じさせない位に整っていた。 一原百合子が10人が10人振り向く美少女なら、その男は100人が100人振り向くような美形だった。 緋月一日 役割は、生徒会長。 百合子と負けず劣らず破天荒な彼は些細なきっかけで親しくなっていた。 少なくとも表面上はそのように見えると、雨氷も思っていた。 友人と歓談していた一日はその顔立ちに似つかわしい優雅な所作で席を立ち、雨氷たちの方に向かってくる。 「雷鳴のような大音声を上げずとも、僕には十分に聞こえるぞ、一原」 見ただけで女性を虜にしそうな美しい笑みを浮かべ、一日は言った。 その完璧なまでに美し過ぎる笑みに、雨氷はむしろ不快感を覚え、眉をしかめそうになる。 あまりに完璧すぎて、作り物にしか見えないのだから。 「あっはー、すいません。でもでも、私のモットーは元気爆発頑張ぞー、なんで。何事も派手に愉快にしなきゃ気が済まないというか自然にそうなっちゃうと言うか?」 「良くわからんが、まぁいい。それで、今日はどう言った要件だ?」 女子的なハイテンションでまくしたてる百合子に動じることなく、先を促す一日。 ちなみに、他の先輩たちはもうそれぞれの行動に戻っている。 「今暇ですか?」 「暇と言えば暇だな」 「ンじゃ、ちょっち外良いっすか?」 「教室では駄目なのか?」 「人多いじゃないですか、ココ」 「確かに、少々観客が多いな」 一日の言うように、教室内には未だ生徒が多く残っていた。 勉強会を開く勤勉な者もいれば、取り留めの無い会話をしている者も多い。 ふと、雨氷の眼にクラスメイトと話をしている1人の女生徒が映った。 738 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 04 20 ID 5bzKfcHY 百合子たちと負けず劣らず、いやそれ以上に目立つ外見の女生徒。(何しろ金髪である) 名前は確か、鬼児宮フィリア。 外国人とのハーフであると同時に大会社の社長令嬢である。(夜照学園は、学費が平均よりも高くないのにも関わらず、施設やカリキュラムのレベルが非常に高いとされるので、様々な層の生徒が入学してくるのである) また、とんでもない美少女であり、誰がつけたか『月光の君(レディ・クレセント)』という通称まである。余談だが、その通称がつけられた当時、高等部では遅れてきた『マリ見て』ブームのただ中だったとか。 以前噂を聞いて、何の漫画だと思ったきりだった先輩だったが、なぜか眼に付いた。 まっ白な右手を頬にあて、雨氷たちから少し離れた席で友人たちと優雅に談笑しているだけの彼女が、なぜか彼女がこちらの方を見ているような気がしたのだ。 「つーワケで緋月先輩はお借りしますんで、夜露死苦!」 一日と話をしていた先輩たちにそう言う百合子の台詞に、雨氷は意識を戻される。 「何だ、一原。お前も緋月にコクんのか?」 話しかけられた先輩が、冗談めかして百合子に言う。 「あっはー。それは無いですよ」 「そんなことはありません」 百合子と雨氷がほぼ同時に否定する。 「ンじゃま、クレヨンしんちゃん曰く『じゃ、そう言うことで』」 「『じゃ、そう言うことで』だそうだ」 百合子のおふざけに一日が笑顔でのり、雨氷が軽く一礼した。 そういうことってどういうことだよー、という上級生のツッコミを背に受けながら3人は教室を出る。 去り際に、雨氷は軽くフィリアの方を見た。 右手を頬にあて、穏やかな笑みを浮かべながら友人たちと談笑している。 こちらの方を見てさえいない。 なのに、なぜか。 突き刺すような殺気を向けられているような気が、した。 739 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 05 22 ID 5bzKfcHY 「こんなところで良いか」 不自然なまでに人気の無い廊下の隅で、指揮者のように手を広げる、やはり完璧すぎる所作をしながら一日は言った。 「はい、オッケーっす」 「それで、用事というのは何かな?」 百合子の言葉に美しい笑顔を浮かべ、一日は聞いた。 計算しつくされた、美しい笑顔。 美しすぎるからこそ、その笑顔が演技であることが雨氷にははっきりと見えた。 だから、 「その前に、無礼を承知で言わせていただきたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」 百合子の一歩前に出て、雨氷は言った。 「どしたの、うーちゃん?」 不思議そうな顔をする百合子。 「僕は構わないが」 雨氷の眼光に動じることなく一日は言った。 この場合、動じる様子を見せることなく、と言うべきなのだろうが。 「折角人がいない、緋月先輩もご冗談のような演技はお止めになってはいかがですか?」 淡々と、しかし不躾とも言える一言を、雨氷は叩きこんだ。 「演技、か」 笑顔を崩さず、一日が言った。 「ええ。一原さんは軽妙軽薄な言葉を使わせていただきましたが、私たちは何も無意味無目的に、緋月先輩に来ていただいたわけでは無いので。むしろ、とても重要なお願いをしたいと思っています」 実のところ、雨氷はその話の詳細を知らないのだがソレはともかく。 「ですから、そのような演じきられた、嘘で塗り固められた態度と笑顔を向けられると、はっきり言って―――」 一瞬、逡巡してから雨氷は言葉を続ける。 「不愉快です」 雨氷自身でもどんな顔をしているのか分からなく様な思いを叩きつけられ、しかし一日は演技を崩すことなく、その中性的な顔を困ったような形に変えた。 「不快不愉快不都合と言われても、正直いささか困るところではあるな」 一日はそんな台詞を言った。 「困る、ですか」 「ああ。僕にとって演じるというのは呼吸よりも当り前のことだからな」 「確かに、緋月先輩が演劇部の花形(スタァ)でいらっしゃるのは存じておりますが―――」 「ああ、違う違う。そういうことじゃない。むしろ逆だ。僕が演劇部の役者なのは単純に当然の帰結だ」 「当然の帰結、ですか」 「ああ、僕の知り合い風に言うと…トウゼンノキケツ…という奴だ」 言ってから、一日は「やっぱり使いづらいな」と顔をしかめた。 「人が複数人集まれば、そこはもう舞台だ。演じるべき状況があり、演じるべき役割がある。状況に則し、他人の言葉(セリフ)に合わせ、自身も行動する。それはもう演技だ。『この世は舞台、人は全て役者にすぎない』プラトン以来の常識だろう?」 そう言う一日の姿は、確かに舞台上で見るものと変わらなかった。 変わりようが、無かった。 「とはいえ、安心はしても良い。その演技の裏側に悪党の顔が潜んでいるとかそう言った役柄では無いからね、僕は。君たちの願いには真摯に真剣に対応するし、必要とあれば全力で力を貸そう」 「という役回り、ですか」 「そう言うことだ。何せ、生徒会長だからな」 自分の役は自分が一番把握しているよ、と一日は言った。 『やはり、不愉快』 と、雨氷は学生鞄をギリと音がするほど握りしめて思った。 感情というのものを完全に度外視した、一日のもの言いに。 740 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 06 23 ID 5bzKfcHY 「あー、そろそろ良いッスか?」 と、そこへ百合子が言った。 「今の話を聞いてましたか、一原さん」 「ごみん、何か難しそうなこと言ってたから後半聞き流してた」 雨氷に対して両手を合わせて百合子が言った。 「ともあれ、何でも言ってくれ、一原。生徒会長とはそういう役だ」 「んじゃー、遠慮なく言っちゃってぶっちゃけちゃいますね」 微妙にかみ合ってるのかいないのか分からないトークだった。 「私、みんなにカミングアウトしようとか思っちゃってるんですよ」 「カミングアウト?何を」 「私、レズなんです」 「レズか」 動じない一日だった。 「格調高く言って、百合なんです」 言わなくて良い。 「そうだったのか?」 「言ってませんでしたっけ?」 「聞いてないな。聞こうともしなかったが」 「言おうともしませんでしたしね」 「それで、君の望みとは?」 「ジブンで言うのも難ですけど私ちょっとモテるじゃないですか、男子に。無駄に」 「らしいな」 「さすがに、先輩ほどじゃないですけど。学園の女子全員をフッた先輩ほどじゃ」 「それは噂だ。話半分に聞いておいて欲しいな」 「ういっす。で、ですね、私らの場合、男子にモテても問題じゃないですか、っていうかヤバいじゃないですか」 「確かにヤバいな、男子の方が」 「だから、いー加減どうにかしようかと思ってですね―――」 そこで、百合子は軽く勿体をつけた。 自身の『良い考え』、現状をひっくり返す秘策を彼に伝えるために。 「全校生徒の前でカミングアウトしようと思うんですよ」 ゴン、という音が雨氷の耳朶を打った。 それが、自分がひっくり返って頭を打った音だと気付くのに数秒かかった。 「ちょ、大丈夫、うーちゃん?」 「頭が痛いです」 「そりゃそーでしょーよ、あんな盛大に頭からズッこけたら。あ、今日のパンツは黒なんだ」 「二重の意味でです……」 あと、パンツを覗かないで下さい、と起き上がって身なりを整えながら雨氷は言った。 頭の痛みが引いてくると、逆に怒りが沸いてくる。 「って言うか貴女は馬鹿ですか!?今の今まで信頼できる相手以外には苦心と腐心と細心の注意を重ねて自身の秘密を隠し続けてきたというのに!?しかもそれを!?全校生徒の前でカミングアウト!?学校中の生徒を敵に回しますよ!?」 「うん、それに関しては返す言葉も無いわね」 「だったら何でそんなことを!?しかもこの不愉快な男にまで!?」 一日を指差しながら雨氷はまくしたてた。 普段の冷静沈着の仮面が完全に取れているが、そんなことを気にしている余裕はない。 「それはね、うーちゃん」 興奮しきった雨氷を落ち着かせるように、諭すように百合子は言った。 741 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 06 53 ID 5bzKfcHY 「私の性癖を知れば、確かに嫌な気分なる人は出てくると思うわ。でも、だからって隠し続けてると、男子の友達に望みの無い以上の恋をさせて傷つけちゃう」 珍しくまじめな表情で、百合子は言う。 「どちらにせよ、人を傷つけるなら、私は自分の心のままに生きたい。生きられるようにしたい」 百合子はそうキッパリと言ったのだった。 その表情を、雨氷は美しいと思った。 恋愛関係にあるが故の身びいきかもしれないが。 それでも、その百合子の姿を、男とか女とか、恋愛とかそうでないとか関係なく、1人の人間として美しいと思ったのだ。 「……惚れた弱み、ですね」 「何か言った?」 「いえ、何も」 小さく呟いた言葉を誤魔化し、雨氷は嘆息しながら言葉を続ける。 「分かった。分かりました。貴女がそこまで思って考えた上での結論ならば、私は何も言いません。言ったところで貴女が考えを変えるとも思えませんし。それにどんな状況でも私のすることは変わりません」 手にした鞄を握りなおし、雨氷もはっきりと言う。 「例えどんな時でも、私は貴女を愛し、貴女を守ります」 その雨氷の言葉に百合子は笑みを浮かべた。 「頼りにしてるわ、うーちゃん」 「ええ、任せてください、ゆーちゃん」 何年か振りに互いに愛称で呼びあい、2人は手を取り合った。 「互いの絆を確認しあう良い場面の最中に難だが―――結局、一原は僕にどんな役を所望なんだ?」 半ば話から取り残された形になっていた一日が、無駄に様になった苦笑を浮かべつつ言った。 「貴方なんて背景の木がお似合いです」 割り込まれたことに不愉快な視線を向ける雨氷。 それをまぁまぁと落ち着かせながら、百合子は一日に言う。 「先輩には役と言うか背景と言うか、それよりも場を提供して欲しいんですよ。私の秘密を全校生徒にカミングアウトする場みたいなのを」 「劇場主の役、いや大道具担当、といったところか?」 「どうせやるなら、派手にやりたいですからね。具体的には今度の全校集会の時とか、生徒会長の言葉とかの時間の間とか後とかで、私が壇上に上がる時間とかをちょっとで良いので作っていただけないかな、と。ちょー裏方になってしまって申し訳ないんですけど。」 「ふむ…」 百合子の言葉に、思案顔になる一日。 「ふと疑問に思ったのだが、それを僕に断られたらどうするつもりだったんだ?その上、俺は君たちの秘密を知ってしまった」 「あー、それは考えてませんでした」 「しかも、労力の割に僕個人には何のメリットも無いという」 「それも考えてませんでした!」 「…思ったんだが、一原は『愚者』のタロットも驚くような大馬鹿者なんじゃないか?」 冗談めいた口調で、一日は言った。 「だが、そうした馬鹿は嫌いではない。協力しよう」 そのまま笑顔を浮かべ、一日は言った。 雨氷たちが見た彼の表情の中で、一番砕けたものに見えた。 「その代わりと言っては難だが、こちらからの条件として、今後入学してくる、僕の一番下の妹には手を出さないことでも約束してもらおうかな?」 「可愛いんスか!?」 新しい女の子の話題にさっきまでの真剣な表情が嘘のように目を輝かせる百合子。 「…手出すなっつったよな…」 「ハイ、ワカリマシタデゴザイマス」 かなり本気でドスの効いた口調で言う一日に、思わずカタコトで答える百合子。 どうやらこの男、かなり筋金入りのシスコンらしい。 742 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 08 31 ID 5bzKfcHY 「まー、ジョークはともかく。その下の妹さん?もウチの学校に入学されるんですね。上の妹さんに続いて」 「…とても冗句には聞こえなかったが…、まぁその予定だ。入試への学力面でも問題ないが、色々あっていささか人見知りが過ぎるというか何と言うか。僕無しでは呼吸もままならないのではと、我が妹ながら今後が心配なところだ」 やれやれだ、と大げさな仕草で一日は言った。 そう言いながらもどこか嬉しそうなのは、よほど下の妹とやらが好きだからなのだろう。 ちなみに、もう1人の妹(剣道部エース)の方とは犬猿の仲。時折口げんかをしている姿を雨氷たちも見たことがある。 何だ、この態度の落差は。 「分かりました!そう言うことなら、もし下の妹さんが入学してきたら、後のことは私らに任せて下さいな!」 パン、と手を叩き百合子が言った。 「ほぅ…」 疑わしいとまではいかなくとも、こいつ冗句で言ってるんだろうな、という目を向けてくる一日 「いやマジで。私にもこんなに可愛いわけが無いってくらい可愛い妹いるんで、先輩の気持ちがちょい分かりますし。先輩が卒業した後でも、その妹さんのことは大船に乗ったつもりで任せてください!」 「…ふむ…」 あっさりとそう言った百合子に、一日は目を丸くしていた。 人の恋人に向かって何信じられないみたいな顔してるんだこの野郎とか馬鹿の顔してるんじゃないとか雨氷は内心思わないでもなかった。 「いや、そう言ってくれると正直嬉しいな。『僕は良い後輩を持った』などと手垢のついた台詞が必要なくらいだ」 本当に嬉しがっているのかは、雨氷には判断がつかないが。 「いえいえ、こんくらいお安いゴヨーダーGT……かは分かりませんけど、私がやりたくてやりたいって言ってるだけですから」 「だとしてもだ。何せ…」 笑みを浮かべて一日は言う。 「僕も、妹達といつまで一緒に居てやれるか分からないからな…」 そう言う一日は、達観したような、強い意志さえ感じさせながらも、どこか寂しげに見えた。 「まぁ、兎に角だ。君の望みは聞いた。時間を作るのはそう難しくは無いだろう。後は、あまり角が立たないように生徒会の者達や先生方とのコンセンサスを取っておかないとな」 「先生たちには、英語のエリちゃん先生からお願いします。あのヒト、何故か何かと私らに良くしてくれるんで。まぁ、この後、私らからもお願いしてみますけど」 エリちゃん先生、というのは百合子たちのクラスの授業を持っているエリス・リーランドという若い教師だ。明るく聡明だが何故か何かと百合子『だけ』を贔屓するのが玉に瑕だった。 「心得たよ」 そう言って、一日は指揮者のように手を広げた。 「さぁ、こんな所で閉幕といこうか。この世は全て仮面劇(ページェント)。また明日この舞台で会おう」 そう言って、彼は去っていく。 「ええ、それじゃまた」 その後ろ姿に手を振りながら、百合子はふと言う。 「あ、先輩。同じ仮面なら、仮面劇より全員参加の仮面舞踏会の方が人生多分楽しいッスよー!」 「面白い見解だな、覚えておこう」 一瞬だけ振り返り、笑顔を浮かべて一日は夕闇の中に消えて行った。 743 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 09 14 ID 5bzKfcHY おまけ 「さって、これからが忙しくなるわねー」 一日と話をしてすぐ後、しんと静かな階段を降りながら、踊り場で大きく背伸びをして百合子が言った。 「そうですね。先生のところに行くのもそうですが、実際に何を言うか原稿を組まなくてはいけませんし、一原さんのとなると必然的に私のことにも触れざるを得ませんし……」 「んー、単に私がレズなんですーって言うだけで良いと思うけどねー。詳しいこととか、うーちゃんのことまで突っ込まなくても」 「もう少し考えてください。それに、貴女だけを矢面に立たせるつもりはありませんよ。って言うか、ここまでハイリスクなことしなくても良かったのでは?」 「リスクの無い人生なんてつまんないじゃない。人生はちょっとしたダイボウケンだもの」 「訳がわかりま……」 突き刺さるような殺気が、雨氷を射抜いた。 「!?」 反射的に後ろを振り返る雨氷。 同時に、放課後だというのに自分たちの周りには誰一人として他の生徒がいないことに気付く。 いや、1人だけ。 階段の上を見上げると、そこにたった1つだけ人影があった。 夕闇に映える、白い肌。 金色の髪。 頬に当てられた右手。 レディ・クレッセント 鬼児宮フィリア 「緋月さんと何を話していたのかしら」 フィリアが口を開いた。 口には笑みさえ浮かべているが、決して声を荒げているわけではないのに、拒否することを許さない響きが、彼女の声にはあった。 「鬼児宮先輩、相変わらずお美しいですねー。って、いつの間にいらしたんスか?」 フィリアの殺気だった雰囲気に気づいているのかいないのか、百合子が怪訝そうな声で言った。 「答えてくれないかしら、一原百合子さん、氷室雨氷さん」 頬にあてられた右手の細い指が神経質そうに動く。 「答えなくてはいけませんか?」 百合子の一歩前に出て、雨氷が言った。 「答えられないようなことなの?」 フィリアは笑顔を崩さずに答えた。 ただ、頬にあてた指がまた神経質そうに動いた。 カリ、と。 「や、別に別に答えられないよーなってワケじゃ・・・・・・」 「緋月先輩には、少々個人的な頼みごとを聞いていただいていました」 空気を読まない百合子の能天気な声をさえぎり、代わりに雨氷は答えた。 「頼みごと、個人的な、ねぇ・・・・・・」 雨氷の言葉をかみ締めるように、フィリアは言った。 頬の指がまた、カリカリと神経質そうに動く。 頬をかいているのだ。 所謂『お嬢様』であるフィリアには、およそ似つかわしくない素振りであった。 笑顔とは対照的に、『お嬢様』然とした所作を捨てるほどに苛立っているのだろうと、雨氷には見えた。 だが、何故そこまで苛立っているのかが分からない。 分からないからこそ、不気味。 「それで、その頼みごとというのは何なのかしら?」 「・・・・・・」 744 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 11 00 ID 5bzKfcHY 答えることに躊躇する。 うかつな答えを返しては、自分たちの秘密について話さないわけにはいかなくなる。 百合子はそのあたりの覚悟をとうに決めているようだが(何も考えていないだけかもしれないが)、雨氷は未だ慎重だった。 迷っていると言っても良い。 味方か敵か分からない相手(ほぼ確実に後者!)に話すには、あまりにもリスクが高い。 雨氷は脳みそをフル回転させていた。 「何なのかしら?」 そんな雨氷たちに対して、頬を神経質そうにかきながらフィリアは一歩ずつ近づいてくる。 「何なのかしら何なのかしら何なのかしら?」 カリカリと頬をかく音がやけに大きく聞こえる。 「ねぇ、早く答えて頂戴答えてくれないかしら答えてよ答えなさいよ答えて答えて答えて答えろ」 カリ、カリカリカリカリ・・・・・・、と血が出るんじゃないかと言う勢いで頬をかくフィリア。 「答えないの答えないんだ答えないなら・・・・・・・!」 カリカリカリカリカリガリガリィ! 半ば反射的に動いていた。 雨氷は常に持ち歩いている学生鞄、その隠しポケットから大振りなナイフを取り出し、フィリアの攻撃を受け止めていた!! ナイフのグリップごしに重い衝撃がビリビリと伝わる。 「駄目じゃない氷室さん、そんなモノを学校に持ってきちゃぁ・・・・・・。校則違反よ一日に嫌われるわよぉ」 確実に雨氷の心臓を狙った『攻撃』―――右手の袖口から取り出した『何か』を受け止められたフィリアは言った。 自らの爪で頬から血を流し、口元にはその場に見合わぬ笑みが浮かんでいた。 「先輩こそ、ソレは校則違反じゃないんですか?」 「ああこれ?これはただのペーパーナイフよ。ペェェェエパァァァアナァァァアイフ。知ってるでしょ?」 再度互いに距離をとり(どちらかと言えば雨氷たちのほうが下がった形だった)、手の中の凶器をくるくると弄ぶフィリア。 確かにソレは雨氷たちの知るペーパーナイフと同じシルエットを持っていたが、ずっと厚みがあり、縁の部分は鋭くとがっている。 とどのつまり、グリップの無いただの刃を、フィリアは刃の腹の部分で持っていた。 『って、ただのナイフじゃないですか!?』 思わず叫びたくなるのをこらえる雨氷。 「ねぇぇぇえ、それよりも一日と一体何を話してたのか、私まだほとんどなぁぁぁあんにも聞いてないのぉぉぉぉお。いい加減一秒も早く教えてよぉぉぉぉお」 明らかな狂気の色を瞳に浮かべ、フィリアは言った。 「誰が言うか!」 即答の後再度飛び掛る雨氷。 「お前はゆーちゃんの敵認定決定!ゆーちゃんは私が守る!だからお前を全力を持って打ち貫くのみ!!」 「あらそぉぉぉぉお!?」 ガキィン、と再度刃が打ち合う。 続けざまに二度三度と振るうが、いずれもフィリアの『ペーパーナイフ』もといナイフに受け止められる。 受け止められただけではない。 フィリアは雨氷が『自分はこう動く』と考えたのとそっくりそのまま同じ動きでナイフを振るい、雨氷の攻撃を受けていたのだ。 まるで鏡写しの様に。 「一体何の・・・」 「冗談ですか、とかじゃないわよぉ?私はこれでも戦う技術を持たなぁぁぁい」 「はあ!?」 フィリアの発言に素っ頓狂な声を上げてしまう雨氷。 雨氷はこれまで、様々な手段で百合子に近づく者たちを排除してきた。 比較的穏便に済む相手もいれば、屈強な男もいた。 だから、様々な交渉手段―――つまりは闘うための訓練を重ねてきた。 そんな雨氷が素人に遅れをとる道理は無いはずだった。 本来なら。 745 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 11 27 ID 5bzKfcHY 「だから貴女の動きを演じさせてもらったのぉぉぉぉお」 「演じる・・・・・・、『仮面劇(ページェント)』」 フィリアの言葉に、ふと一日が口にした言葉を思い出した。 「一日はそう呼んでくれてるわ、ね!!」 再度、フィリアが動く、雨氷と全く同じ動きで。 違ったのは雨氷より一瞬だけ早いこと!! 「うーちゃん!?」 後ろから、百合子の悲鳴が聞こえる。 何とか後ろに跳んだお陰で、致命傷はまぬがれた。 ただ、雨氷の制服と肌は切り裂かれ、赤い血が滲んでいる。 「あぁぁぁあ、助けとかは期待しないでぇぇぇね。ココはちょっとした人払いの技術を使わせてもらってるからぁぁぁあ」 「人払い・・・・・・?」 「あなたたちも、さっきまで同じ技術(モノ)の恩恵を賜っていたはずよ。不思議に思わなかった?放課後の廊下を誰一人通らなかったことに」 そう言えば、先ほどの会話で随分騒いだのに、誰も通らなかった。 「あれが、意図的に・・・・・・?」 そうだとしたら、一体どんな手管を使ったというのだろう。 「そう、あの時やったのは一日だったけどねぇぇぇえ。お陰でどこで何を話してるのか分からなくて大へぇぇぇんだったのよぉぉぉお?」 あの不愉快な男の技術を『演じた』とでも言うのだろうか。何という出鱈目な、と思う間もなくフィリアが再度距離を詰め、ナイフで切りかかってくる! いや、これはフェイント!? 「が!?」 腹部に叩き込まれた膝蹴りに、眼鏡が吹き飛び、一瞬頭の中が真っ白になる。 「ばいばぁぁぁい」 無防備になった雨氷の首筋に向かって、フィリアのナイフが振るわれ――― 「鬼児宮先輩、ストップ!言います!」 その瞬間、百合子の声が響いた。 「へぇぇぇえ。でも、このコさぁぁぁあ、私を敵だって言ってたけどぉぉぉお?」 雨氷の首の皮一歩手前でナイフを止め、フィリアは百合子に言った。 「敵じゃありません。だって、私たちは先輩の恋愛の邪魔、しないですもん」 え、と雨氷は言いそうになった。 「ふぅぅぅうん?」 ス、と雨氷からナイフを離し、フィリアは言った。 「……え?」 あっさりとした対応に、雨氷は思わず呟いた。 どういうことなのだろうか。 と、いうかそう言うことなのだろうか。 「ぶっちゃけ、先輩は緋月先輩のことが好きなんですよね?」 「……」 百合子のストレートな言葉に、フィリアが沈黙する。 それが、これ以上のない答えだった。 「好きな男の子が女の子に呼びだされて気になんのは分かりますけど、先輩が心配するようなことは全然ですよ。何たって、私らレズですから」 「嘘をつくなら、もっとマシな嘘をついたらぁぁぁあ?」 「いや、マジでマジで。先輩のことなんて生まれる前からマジラブってたくらいですから」 「それは生まれる前から出直してきなさぁぁぁいな。何せ、こっちは一日のことを前世から好きだったくらいの勢いだもの」 「そりゃ残念っす」 肩をすくめて百合子は言った。 普通に残念そうだった。 あんな告白でオーケーされると思ったのだろうか、百合子は。 と、言うか雨氷としては自分の前で他所の女に堂々と告白とかしないで欲しかった。殺したくなる。 746 :ヤンデレの娘さん 転外 ぺぇじぇんと◇9znZNYtb1U:2011/06/14(火) 23 11 47 ID 5bzKfcHY 「まぁ、そう言うことなら許してあげる」 「あ、話した内容とか言った方が良いですか?」 「それはどうでも良いわよ」 狂気めいた雰囲気を薄れさせ、しかし冷めた様子でフィリアは言った。 「私と一日のことに関係が無いなら、何もかもどうでも良い」 そして、そう吐き捨てるように言ったのだ。 そして、ナイフをくるりと弄び、懐に仕舞う。 「全く、無駄な時間を使ってしまったわ」 ため息交じりにフィリアは言った。 まるで雨氷達のせいと言わんばかりだが、雨氷としてはむしろフィリアのせいで災難に会ったという気分だ。 「じゃあ、また。もう二度と会いたくは無いけど」 「そんなこと言っちゃってさては先輩ツンデレですねいやなんでもないですごめんなさい」 フィリア(と雨氷)にすごまれ、平謝りする百合子。 「ああ、そうそう。もし本当に一日に恋愛的な意味で近づいたら、その時は殺させてもらうから」 なんでもないように言うフィリア。 「あっはー。そりゃ嘘でも本当でもありえないですよ。私×鬼児宮先輩ルートならともかく」 「だから、それこそありえないわよ」 そう言って、今度こそフィリアは去っていった。 それと時を同じくして、雨氷達の耳に人の話し声が聞こえてきて、やがて階段を行き来する生徒の数が増えて行く。 「傷とか大丈夫、うーちゃん」 「こんなのかすり傷ですよ。……それにしても、あらゆる意味で出鱈目な女でしたね」 フィリアの姿が消えたのを確認してから雨氷は言った。 「いや、それうーちゃんだけは言っちゃいけないと思う」 まるで雨氷がマトモでないかのように言う百合子。 失礼な。 「それにしても・・・・・・」 珍しく思案気に、というより迷うように百合子が言った。 「緋月先輩と鬼児宮先輩、大丈夫なのかしら」 「大丈夫、といいますと、何が?」 「色々よ。上っ面を見る分には分からなかったけど、あの2人、何て言うかこう、とっても危なっかしい気がしてね」 危なっかしい、というのは雨氷には分かる。 自分を役者と自己規定し、本心がどこにあるのか分からないあるのかすら緋月一日。 他者を傷つけることに一片の躊躇も無い鬼児宮フィリア。 いや、後者に関しては雨氷も似たり寄ったりの部分はあるけれども。 一日とフィリア、双方共にかなり極端な精神性の持ち主であることは間違いが無いようだった。 今でこそ辛うじてバランスが取れているが、2人が揃ってその精神のバランスを崩したら、一体どんなことになるのだろうか。 「どうなるか分からないことを考えても仕方ありませんよ。それに、そこから先はあの2人の問題。私たちにはどうしようもないことでしょう」 「まぁ、そうだけどね」 「どの道、卒業されれば無関係になる相手ですし」 「まぁ、薄情ね」 冗談めかして言う百合子。 そして、2人は中睦まじく放課後の廊下を歩いて行った。 それからほどなくして、百合子たちのカミングアウトがなされ、学園中が騒然とすることになるのは、また別の話。 そして、百合子の一日とフィリアに対する危惧が現実となるのも、また別の話だ。 それは、別れと出会い、そのそれぞれのそれ以前。 それは、御神千里と緋月三日が夜照学園高等部に進級する以前。 開幕前の舞台で演じられた物語。
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1956.html
「おはらっきー! らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです♪」 「同じくアシスタントの白石みのるです」 番組開始の挨拶とともに笑顔を振りまくあきらと軽く会釈する白石。 「では早速お便りです」 白石はそのハガキの内容を読み上げる。 「『あきら様はSですか? ドSですか?』ちなみに僕はドSだと思います」 白石が付け加えた余計な一言に反応し、あきらが凶悪な顔つきで灰皿を投げつけた。見事に 白石の頭部に命中し、床に転がってカラカラと余韻の残る音を立てる。 「あきらイジメなんかきらいっ。ファンのみんなとも仲良くできるといいな」 一瞬にしてぶりっ子モードに転じる。潤んだ瞳の上目遣いは、見た目だけなら可愛い。 「で、では次のお便りは……」 灰皿のダメージから立ち直りきれず、少しふらつきながらも番組を進行する。 「『あきら様はツンデレだと思いますが、ヤンデレの素質もあると思います。』ヤンデレという 言葉を知らない人のために説明しておきますと、精神的に病んでいるキャラがデレ状態にある とか病的なほど誰かにデレであるとかいうことを指します。この状態のキャラは得てして過激 な行動に及ぶことが多いようですが、あきら様は――」 「さっきから聞いてれば人のことを散々言ってくれるじゃないの」 ヤンデレの説明の間、刻々とあきらの表情が不機嫌になっていることに気付いていなかった のが白石の運の尽き。気付いていたとしても番組の進行の上で止められるものではなかったが。 とにかく、その表情と声はとっくに黒くなっている。もちろん色彩としてではなく比喩表現 としての黒である。 「いえ、これはヤンデレという言葉を説明してあきら様はどうですかと訊こうと」 対して白石は青くなっていた。こちらは比喩ではなく。 「第一誰がデレよ誰が! あたしがいつあんたにデレたって?」 「は、ハガキに書いてあったんです!」 視聴者は自分に火の粉が降りかからないのである程度踏み込んだ質問もできるし、そういう ハガキを採用するのはディレクターや構成作家なので白石に責任はないのだが、あきらの怒り の矛先になるのは決まって白石である。あきらのツンギレがこの番組の基本的な要素であり、 視聴者にとってこの番組の最も面白いとされる部分であった。 毎週同じパターンのやり取りを繰り返し、しかしファンを飽きさせない二人もそれなりの 人気を博している。 男女のコンビで一つの番組のレギュラーを勤めるとよくあることだが、ファンが彼らなり に想像を巡らせる事柄がある。 つまり、この二人はどんな関係なのかと。 特にらっきー☆ちゃんねるの場合は、白石があきらにマジギレしたうえに暴走し、セット を破壊するという暴挙に出たことがある。先輩に(威圧的に)仲を取り持って貰ったとはいえ いつの間にか元の鞘に収まりその後も普通に番組を続けているという事態が、彼らの妄想に 拍車をかけている。 ある者は、二人の関係は番組そのままだという。 ある者は、二人の仲は険悪だが仕事のために共演を続けているという。 ある者は、二人は恋人関係であり、番組での掛け合いはポーズだという。 ある者は、所詮は芸能人、番組は番組でプライベートでは何ともないという。 ある者は、白石の反逆そのものが番組を盛り上げるための演出であったという。 二人を直接見るスタッフでさえ何もわからず、最後の説を否定する以外には一般のファンと 二人を見る目に違いはなかった。 真実を知るのは、当の二人だけである。 「あんた、わかってんでしょーね」 その日の収録後も、白石はあきらの楽屋に呼び出された。 「座んなさい」 白石が楽屋に入るなり命令され、それに大人しく従って正座した。いくらあきらが小柄とは いえ、床に正座する白石の前に仁王立ちすればあきらが見下ろす形になる。 「あたしがツンデレ? ふざけるのも大概にしなさい」 「いえ、あれは」 あきらの威圧的な物言いと視線に、白石の身が竦んだ。正しく蛇に睨まれた蛙である。二人 の間には絶対に覆せない上下関係があった。 「へえ、あんたはあたしに口答えできるほど偉くなったのね」 「そ、そのようなことは」 番組内では白石にもある程度の弁解をさせていたが、ここではそれすら許していない。 「あたしに逆らうな。いつもいつも言ってるわよね」 「はい……」 今回のことは番組の進行上仕方なかった、という反論を白石はしなかった。反論しても火に 油を注ぐだけだからである。 「毎回毎回、あたしが教育してやってるのにまだわかんないのかしら」 「うっ……」 あきらが爪先で白石の股間を突くと、そこは既に固くなっていた。 「ここは、ちゃんとわかってんのに」 それは毎週行われる『教育』の成果だった。あきらが白石を楽屋に呼び出した時点で、こう なることは二人ともわかっているのだ。 あきらが固くなっている部分を爪先でなぞると白石は小さく身悶える。 「あたしがたてろって言わなくてもたってんのよ。あんたもこのくらい気を利かせなさい」 「これは勝手になって――」 あきらが一睨みしただけで、白石の口は止まってしまった。 「言わないとわかんないのかしら? 脱ぎなさいよ」 「は、はいっ!」 あきらの言い分は、毎回同じことをやってるんだから流れを読め。下僕は命令する前に実行 するのが当然。 白石の言い分は、言われずに分かるわけがない。 もちろん、白石がそれを口にすることはない。 「なにチンタラやってんのよ」 いくら回数を重ねたとはいえ女性の目の前で服を脱ぐのは気恥ずかしさがあり、手の動きも 躊躇いがあるのだが、そのせいでベルトを緩めるのに手間取ってしまった。あきらに急かされ てピッチを上げる。 果たして、彼の反り立ったものが露になった。 「あたしに脱がせてもらおうなんて百年早いのよ」 「そんな期待をしていたわけではないのですが」 あきらがまた睨むと、そのまま白石を突き飛ばした。白石はとっさに足を後退させること ができず、尻餅をついてしまう。 「やることはわかってんでしょ。学習しなさい」 あきらはドスを利かせた声で言い、白石の前に膝をついて座り、頭を下げる。その動作の まま、あきらは白石のモノを口に含んだ。 「んむっ、ちゅっ……んんっ、ん」 「あ、あきら様……」 フェラチオは男性だけが一方的に快感を得る行為であること、必ず男性が女性を見下ろす 体位になることから、一般的には女性から男性への奉仕や従属を表す行為とされる。 その一方で、男性器を他人の口内に晒すのは非常に危険な行為であり、これによって相手 の男性を支配下に置いていると捉えることもできる。 解釈は自由として、そのどちらのつもりでやっているのかは本人しか知らない。 「あっ、あきら様」 あきらの舌が白石の肉棒をねぶり、唇が柔らかく締め付ける。その度に唾液が淫らな音を 立てて二人を興奮させる。 「んちゅぅ……んふぅ……」 白石は全く抵抗していない。白石にとってあきらを振りほどくことは、物理的には容易で ある。しかし、性格が悪いとはいえ掛け値なしの美少女が自分のものを咥えて快感を与えて くれているという誘惑に抗うには、彼は若過ぎた。 「ううっ……んっ……な、なんでそんなに上手いんですか」 暖かく柔らかい刺激に、白石は思わず喘ぎ声をあげてしまった。あきらの舌が白石の一番 好きな部分を的確に攻めてくる。上目遣いで白石の反応を窺いつつ、駆け引きなどなくただ ストレートにそこを攻め続ける。 仮にこれが愛情表現であるとするならば、言葉に置き換えてただ『好き』とだけ言うような、 そんな真っ直ぐさだった。 それはあくまで例え話であって、当のあきらは何も言わず一心不乱に舌で舐り続ける。もし 今すぐ口を利けるならそれは愛の告白なのではないかと思えるほどに。 十四歳の女の子の技巧に屈して、白石に射精感がこみ上げてきた。 「あきら様、なんでこんなこと……」 思わず口をついて出た疑問に、あきらは顔を上げて白石を見やる。自分の質問がもたらした 結果に、白石は複雑な表情をした。 「なんでって決まってるじゃない」 あきらは白石の前に再び仁王立ちになる。 「あんたみたいな三下はあたしに逆らえないの。それを教えてやるためよ」 あきらは自分のスカートをめくり上げて白石に見せる。その下には何も穿いていなかった。 「あたしの番組で白石なんかに楯突かれたとあっちゃ、あたしの沽券に関わるのよ」 あきらは自分の指で秘唇を広げて見せた。その部分は既に液体に濡れて艶を帯びている。 「言いなさい。僕はあきら様のものです。二度と歯向かいませんって」 微笑に善悪があるとすれば、それは間違いなく悪だった。それも、美しさを備えた悪だった。 「…………」 白石は答えられずに口をぱくぱくさせている。 「何度もあたしとヤっておきながら、まだあたしのものになってないつもりだったの? あたしの 初めてを奪っておきながら後はしらんぷりとでも言うのかしらねー」 「それは――」 白石は二の句を継げなかった。 番組本番中に大暴れして以来、二人は絶縁状態だった。その態度は仕事にも表れ、人気は 低下していった。番組関係者が打ち切りを考えるようになった頃、あきらは白石を襲った。 その美貌で誘惑し、衣服を剥ぎ取り、手や口やあらゆる部分で愛撫し、自らを貫かせた。 あきらが何度も繰り返すように、白石は逆らえなかった。あきらが流した涙と破瓜の血を 彼は忘れられなかった。 無理矢理奪ったのはあきらの方だ。だが、いくら理屈ではそうであっても、男としてそれ を主張することなど出来るはずも無い。誘惑に抗えなかったのは事実なのだから。 結局、この出来事が二人の関係を決定付けた。毎回、収録後にはスタッフに見つからない ようにどちらかの楽屋に出入りするようになり、一時期落ち込んでいた人気は回復の兆しを 見せ、安定した人気を誇る番組となった。 「アンタはホントはあたしとヤりたいって思ってんのよ。これがその証拠」 あきらの視線の先には、白石の男の象徴。早くしたいと、懸命に自己主張している。 「ですからこれは自然と」 「そうよ。あんたはあたしに従うのが自然なのよ」 あきらの主張は一貫してそれだった。白石の意思など関係ない。 あきらはそれだけ言って白石の男根に腰を落とし、そのまま挿入させた。座位の形で二人 は繋がり、十センチもない間隔で見詰め合った。 「んっ……あたしが、ツンデレなわけっ……ないじゃない」 「あきら様、なんで、そんな……」 始めはきつく当たっていた白石に、もしあきらが惚れているのだとすれば、あきらはツン デレであるということになる。あくまで理論上はそうなるというだけの話だ。 「ツンデレとか、んぅっ……ヤンデレとか……ふざけるんじゃないわよっ……あんたはあたし のものなのよ。ただそれだけなのよ!」 あきらは頑として譲らない。病的なまでにそれを繰り返し、その結果として男を犯すという 行為にまで及んでいる。もしこれが白石への好意に基づくものであるとするならば、あきらは ヤンデレであるということになる。あくまで理論上はそうなるというだけの話だ。 あきらは何一つ肯定しない。ただ、白石の上で腰を振るだけだ。 「あんたなんかっ……あたしにすぐイかされちゃうだけの男なんだから!」 前後に腰を振って、その度に喘ぎ声をあげる。 「ほら……あっ、あぅっ……き、気持ちいいんでしょ?」 「は、はいっ」 白石は初めて素直に肯定した。あきらの膣内はそれほどまでに良かった。 それだけでなく、あきらも自分の中の感じる部分を白石に刺激されていた。座位という体位 を活かして、体重をのせて深く挿入させていた。 「あぁっ、ふぁっ、あ、あたしで、感じてるんでしょ?」 「あ、あきら様も」 これだけ近づけば、互いが深い吐息をついていること、その原因が快感であることもすぐ に分かってしまう。 「みのる……あっ、あぁん、あたしを抱きしめなさい」 白石が抱きしめる前に、あきらが自ら白石に身体を寄せ、その背中に手を回した。すぐに 白石も従い、二人は抱き合う形になった。 「も、もっと強く、だきしめなさい」 白石との身長差から、あきらは相手の胸に顔を埋めている。なので白石からは見えないが、 その目はとろんとしていて、口はだらしなく半開きになっていた。呼吸が乱れていることだけ は、白石にも感じとることができた。 「あっ、うぅ……絶対に、離さないでっ」 「わっ、わかりました……」 それを告げると同時に、あきらも白石を強く抱きしめる。 「わかったら、あたしの、んっ……中にっ……出しなさい……あんたは、あたしの……もの、 なんだからねっ……」 あんたはあたしのもの。その言葉を繰り返す度に、腰を擦り付けるように前後させ、自分の 中に白石を招き入れる。そうすれば、白石はあきらのものになると言わんばかりに。 「あたしだって、ああぁっ……他のやつには、こんなこと」 自分の身体の深い部分を貫かせる。それは確かに、互いの所有権を主張する行為であった。 「あたしの中でイきなさいっ……あたしの中に出しなさい……っ」 この体勢では、あきらが退かない限り逃れることはできない。しかし、白石には逃れよう という気は既になかった。 「あきら様、もう、いっちゃいそうです!」 「出しなさいっ、あんたのものは……ぁあっ……全部、んっ、あたしのっ」 あきらは更に腰を激しく動かす。その度に、あきら自身も高まっていった。 白石はあきらの中に、あきらは自分の中に白石が入っていることに酔いしれていた。互いの こと以外何も考えられなくなるほどに心が昂ぶり、それは頂点に達しようとしていた。 「あきら様、あきら様っ」 「あぁっ、あたしの、ものっ……ぜったい、はなさない……んっ、ぁっ、ああああぁぁぁ!」 あきらの中が白石のものを急激に締め付け、白石はあきらの中の深くに射精した。 「はぁっ……はぁっ……」 「あきら様……」 同時に絶頂に達した二人は、荒い呼吸のまましばらく抱き合っていた。 白石が後始末を終えて気だるい雰囲気の中、あきらは鞄の中のタバコを探し始めた。一本 取り出して咥え、ライターはどこだったかと再び鞄の中を探る。 「あきら様、何してるんですか」 「何ってタバコに決まってんでしょ。ヤった後にタバコって定番じゃない」 何の悪気もなく、さも当然のようにあきらは言ってのける。 「ダメですよ、匂いは残りますから。タバコ一本でもスキャンダルですよ」 そうなると、白石と番組が出来なくなるわけで……。 「仕方ないわね」 タバコを鞄の奥深くに仕舞った。白石はキョトンとした顔であきらを見つめる。 「あんたに従ったわけじゃないわよ。ただ私がそうしたかっただけ」 今度は事も無げに白石を押し倒し、そのまま抱きついて強制的に添い寝した。 「あ、あきら様!?」 「あたしのイメージはヤった後はタバコを吸うか相手に抱きつくかなのよ。タバコがダメなら こうするしかないじゃないの」 「そんな無茶苦茶な……」 意味不明の理屈に、結局白石は流される。 「あきら様」 「あ?」 「どうしてこんなことしようって思いついたんですか?」 「あー、事務所の先輩から『男なんてヤらせてやればみんな言うことをきく』って言われてね」 「……そこまででいいです」 思わぬスキャンダルのネタを掴みそうになって、話をやめてもらう。 寄り添いながら交わした言葉は、睦言と呼べるような内容ではなかった。 今回も、好きだとか愛してるとか、僕はあなたのものですだとか、決定的な一言はどちらも 発しなかった。ただ片方が強制し、もう片方がそれに流されただけだ。 そしてそれは、その次の週も繰り返される。 「おはらっきー! らっきー☆ちゃんねるナビゲーターの小神あきらです♪」 「アシスタントの白石みのるです」 白石がいつものように会釈する前に。 「白石ぃ? あんたは『下っ端』で十分でしょ」 「え゙……一応、白石という名前がありますので」 「そんなのどーでもいいの。あたしが下っ端って言ったら下っ端。わかった?」 「しかし番組の進行上それでは」 「あたしはこの業界で十年以上もやってんのよ。そのあたしに逆らうとでも?」 「そんな、滅相もございません!」 白石は冷や汗をたらし身体を硬直させ、そのまま動かなくなった。 「今日もみんなのアイドル小神あきらが笑顔をお届け! らっきー☆ちゃんねる始まるよ!」 今日もあきらは淀みなく番組を進行する。 ツンデレだかヤンデレだか、あるいはそのどちらでもない本音を隠し、ある意味ファンの 妄想通りの、ある意味全く的外れな関係を保ちながら。 -終わり- コメントフォーム 名前 コメント これいいw -- 名無しさん (2009-10-23 20 01 21) あきらっていい性格してるなぁって思う -- 名無しさん (2009-02-16 00 45 18) おっきおっきアッー! -- 名無しさん (2008-04-16 01 44 00)
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2244.html
946 名前:女性のヤンデレ台詞集[sage] 投稿日:2011/05/09(月) 23 48 00.12 ID IGDVnRI6 「大丈夫、アイツは絶対、私が殺すから」 「どうして、そんなに怯えているの?」 「どうして?ねぇ?どうして?どうしてなの?なんで?なんでなの?」 「嫌だ!聞きたくない聞きたくない聞きたくない聞きたくない!」 「ねぇ、ここ、開けてよ、ねぇ、開けて」 「この歳にもなって鬼ごっこ?いいよ、絶対に捕まえてあげるから」 「うふふ、かくれんぼ?昔良く遊んだね…。ここかな?それとも?…ここかな~?」 「どこに行くの?どこにも逃げ場なんてないよ?」 「頭のてっぺんから、つま先まで、ぜーんぶ、私のモノだよ」 「邪魔者も片付いて、やっと二人っきりになれたね」 「そっか、全部アイツが悪いんだね」 「アイツに騙されてるんだよ!」 「なんで、あんなヤツの事なんてかばうの?」 「待ってても、アイツだったら、もう、来れないよ」 「わかってる、わかってるから」 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 「だーいじょうぶ、好きになってもらう自信あるから」 「お邪魔しましたぁ?わかってるんじゃない…。あぁ、そうよ!邪魔なんだよ!アンタの存在がぁ!!」 「消えて?ねぇ、消えて?この世から…。できないんだったら、アタシが消してあげる」 「へんだね?少し強く叩いただけなのに、ね?」 「あはは、結構脆いよ、結構あっけないよ、ねぇねぇねぇってば、あはははははは」 「血…汚らわしい…後で消毒しないと……」 「大丈夫だよ、すぐに後を追うから…。死んで、それから生まれ変わっても、ずっとずっと一緒」 「キャハハハハ!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死んじゃえッ!」